Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いぼ

童話集 ごんぎつね|最後の胡弓ひき ほか十四編

新美 南吉

Leggi 童話集 ごんぎつね|最後の胡弓ひき ほか十四編 (いぼ) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.278 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

だが、克巳はさっぱりおりてきませんでした。

やがて、克巳の友だちらしいのがふたり、

「克巳くゥん。」

といって、外から店にはいってきました。

克巳は二階からおりてきました。

松吉は、胸がわくわくしました。こんどこそ克巳が、松吉たちになにかいってくれると思ったのです。

しかし克巳は、松吉には目もくれませんでした。そして、ふたりの町の友だちを手まねきして、三人いっしょに、どやどやと二階へあがってしまいました。

松吉は、つき落とされたように感じました。じぶんの立っている大地が、白ちゃけたさびしいものにかわってしまいました。

松吉にはわかりました。克巳にとっては、いなかで十日ばかりいっしょに遊んだ松吉や杉作は、なんでもありゃしないんだと。町の克巳の生活には、いなかとちがって、いろんなことがあるので、それがあたりまえのことなんだと。

四

松吉と杉作は、町から村のほうへ、魂のぬけたような顔をして歩いていきました。

からの重箱は、ズボンとポケットにつっこんだ松吉の右手に、だらしなくぶらさがり、ひと足ごとにおしりにぶつかります。

いくときの、希望にみちた心持ちにひきかえ、帰りの、なんという、まのぬけた、はぐらかされたような心持ちでしょう。